沖電工が「環境に最も優しい総合建設業」を推進
更新日:2026/3/31
沖電工(那覇市)は2025年4月、子会社である沖設備を吸収合併した。1年ほど前から着々と準備を進めてきた吸収合併。綿密な意思疎通やスムーズな業務推進が功を奏し、沖設備だけでは受注が難しかった大型案件にも取り掛かれる体制を整えた。島袋清人社長は「既に大規模な現場も直営社員で対応するなど、今まで以上に効率的な展開ができている。これを機に更なる飛躍に向けた取組みをスタートさせたい」と意気込みを語る。新卒で沖縄電力に入社後、様々な要職を経て辿り着いた現在地だが「まだ改善すべきポイントは多いので課題の克服を続けていきたい」と常に前向きな姿勢を示している。


島袋社長は「2026年以降も『環境に最も優しい総合建設業を目指して』を掲げ、事業を推進していく」と表明する。具体的に進めるのは、建設現場における脱炭素へ向けた取組み、ZEB推進など省エネルギーへ向けた取組み、そして再生可能エネルギー分野への事業拡大の3つだ。親会社である沖縄電力が掲げた「2050年CO2排出ネットゼロ」に沿い、宮古島市での太陽光発電PPA事業、那覇空港および自社事業所における水素燃料電池フォークリフトの実証事業など、カーボンニュートラル実現に向けた動きを加速する。省エネ分野では自社事業所ビルをZEB基準に改修、ZEBオーナーおよびZEBプランナーを取得し沖縄県全体での受注活動を進めている。

沖電工は、第8次中計経営計画(2025~2027年度)の重要目標達成指標(KGI)を、3ヵ年平均売上250億円以上、27年度の経常利益12億円以上に設定した。25年度の売上高は過去最高を更新することが見込まれ、業務プロセスの抜本的な見直しや特定資格者を増やす取り組みなど、公共・民間工事を拡大していくための様々な施策を打っている。中計を達成していくには土木・建築工事の押上げが必要であり、「この部門の売上げを如何にして増やしていくか。一筋縄ではいかない課題も多いが、全社一体となって取り組み、難題を乗り越えていきたい」と前だけを見つめている。


2026年に注力する分野を、島袋社長は「沖縄電力グループで進める調達力を増強する『PXプロジェクト』とDX推進だ」と断言する。同プロジェクトは資材などを購入する際に1つの部署に統一することで無駄削減に繋げ、少しでも利益拡大の余地を生み出すもの。開始から1年が経過したが、DX活用も連動することで一定の成果を残せているという。島袋社長に電力会社を選んだ動機を聞くと、「生まれ育った沖縄に対して、何ができるかを考えた結果、『沖縄の安心・安全をインフラ面から支えたい』と結論付けた」との即答があった。「自然豊かなこの島に『自然共生社会』を創ること。その実現のために、技術と信頼を基にした低炭素社会・循環型社会を構築する」。島袋社長が掲げる目標は常に崇高で、今後どのような変遷を辿って完遂に至るか、私たちは注目すべきである。


この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 松本 雄一
新卒で建通新聞社に入社し、沼津支局に7年間勤務。
在籍時は各自治体や建設関連団体、地場ゼネコンなどを担当し、多くのインタビュー取材を実施。
その後、教育ベンチャーや自動車業界のメディアで広告営業・記者を経験。
2025年にクラフトバンクに参画し、記者として全国の建設会社を取材する。








