DX駆使と若手の力を強みに、近藤建設が未来に向けた経営に踏み出す
更新日:2026/4/3
近藤建設(富山市)は、2024年4月に「KONDO-DX事業部門会」を立ち上げた。同部門会は、各部署からDXに関心の高そうな社員を選出しチームを組成。活動の初めに全社員からDXで改善したいことや、実現を見込めそうな内容をアンケートで募り、上がった項目を整理。各々のメンバーが会社にとっての課題は何か、どのように改善すべきかなどの話し合いを重ねた。その後、実際に様々なDXツールを導入した結果を勘案し、最適解を導き出す過程を取っている。


近藤裕世社長は、「当初は、私を含め全員がゴールの分からない状況でのスタートだったが、回を重ねるごとにメンバーの知見は深まり、楽しみながら取り組めていると感じている。現在地は道半ばの状態にあるが、一定期間でメンバーを入れ替え、常に新たな挑戦を続けるなど工夫することで、社内のDX化を加速させたい」と意気込みを見せる。この2年の効果もあり、最近では勤怠管理システムや遠隔監視カメラ、議事録アプリ、施工管理アプリなどのDXサービスが定着。最新のテクノロジーと仕組み化を融合することで、若手社員でも多様な状況に応対できる職場環境の確立を進めている。

今年1月に近藤社長は、「品質管理部」を設置した。現場での安全・品質に関して特に徹底した管理を貫く社員を指名し、顧客に提供する「ものづくりの質・技術力」の更なる向上と、次世代への継承を目的としている。「弊社も今までは『先輩の背中を見て覚える』という風潮が強かった。しかし、会社の未来を考えると、1年目でも現場で対処できるノウハウを学べるよう、あらゆるデータを教科書として残し、誰もが再現できる体制を作る必要性を感じた」と経緯を述べる。

近藤建設では直近6~7年、会社のメインスローガンを「人が育つ会社に」と銘打っている。毎年社員から募集するサブスローガンの2026年度版は「育つ、挑む、超えていく」に選定。メイン・サブスローガンの双方には、「社員が生き生きとやりがいを感じながら働き、若手の力で会社を盛り立ててほしい」との願いも込められている。社員の構成は10~30代で58%を占めるまで若い人材が増えている。今年3月には、入社1~10年目の社員を対象にした「次世代経営戦略提案プロジェクト」の募集を開始。各部署から立候補した若手同士がチームを組み、会社の未来を「自分のこと」として捉えられる機会を目指している。「組織の中では、どうしても直属の上司・部下という関係性に固執する傾向が強くなる。社員1人ひとりが受け身でなく主体的に動き、会社全体として積極的な挑戦ができる風土を作りたい」と語る眼差しには熱いものが宿っており、5月からの本格始動が待ち遠しい。

近藤社長は「若い社員が働き甲斐を持てる環境を整備し、人が育つ職場を構築できれば、自ずと会社としての成長は実現できる」と明言する。創業当初に掲げた社是は「誠実・奉仕・創意」。建設を通じて「新しい舞台作り」のサポートを継続してきた功績は計り知れず、現在は「若手にこそ会社の未来を築いてほしい」と全社を挙げた取り組みを強めている。「次の世代を担う人々に、建設業界の魅力がダイレクトに伝わる情報発信を続けていきたい」。掲げる目標は常にシンプルで崇高である。DXの駆使と若手活性化を強みにした活動がどのような変遷を辿るのか。近藤建設の一挙手一投足から目が離せない。


この記事を書いた人
クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。








