クラフトバンク総研

若手による地域活性化に挑戦 平畑建設

更新日:2025/5/9

 平畑建設㈱(広島県三原市)の平畑隆也取締役が、広島県建設業協会連合会・青年部会の幹事長に就任した。今年3月28日に開催した設立総会では、「我々の世代で新たな価値や経営モデルを提示し、未来を創り出せるよう全力を尽くす」と挨拶。若手建設人として習得してきた知識・経験・技術を活かし、積極的な挑戦を続けることで業界に貢献することを目指していく。

 青年部を組成するに当たり、平畑取締役は「本部である広島県建設業協会連合会の先輩方からは、『各メンバーが自由に動けるよう、自分たちで工夫してみてほしい』とアドバイスを受けていたので、活発な議論を基にした任務を遂行できた」と振り返る。建設業界を良き方向に導くための様々な意見が出る中、決断に悩む時期もあったが、「不明点は岡本相談役を含め多くの方にサポート頂けことで、無事発足に至り正直ホッとしている」と本音を話す。準備期間から設立まで1年以上を費やしたが、「本当の勝負はこれから」と視線は既に先を見据えている。

 自身が取締役を務める平畑建設では、3年前に若い単身者向けの社員寮を建設した。県外からでも格安で住む場所が保証されるメリットもあり、採用面での良好な流れを生み出すことができたという。「当社の課題として現場監督の高齢化に直面している。今後も定期的な採用と堅実な育成を続けることで、この難題を克服したい」とポイントを述べる。会社の強みとしては、家づくり・土木・設計・不動産の全てを手掛けられることを挙げており、特に牛舎・鶏舎など畜産舎の施工が得意なことも顧客の安心感に繋がっている。「住宅・非住宅を問わず、多くの人々のスタート地点の契機に携われる喜びは代えられない」と建設業の魅力を語る姿からは、この上ない充実感が見て取れる。

 平畑取締役は、組織を統括する上で「長く働く上で社員の不安を払拭し、特に若手から積極的な要望が出るような会社を実現したい」と思いを話す。在籍する社員のモチベーション向上には特に気を配っており、「若い力によりまずは自社、そして広島全域の建設業に変革を起こしたい」という意識は誰よりも強い。「今回の青年部設立を機に、私たちの世代で従来にないやり方で、業界全体の活性化を追求する。確かな技術とノウハウ、最前線のDXなどを織り交ぜ、地域の発展・安定化を下支えしていきたい」。広島県内には若手の力により、新たな渦が生まれようとしている。

新着記事

  • 2025.09.05

    社員教育の重視で新たな勝負に挑む 武壱工業

    足場・鳶工事などに携わる武壱工業(山口県下関市)は、社員教育に重きを置く方針を発表した。伊藤武士社長が、スローガンに掲げたのは「日本の未来に貢献する人材育成」。これまで短期間での社員育成を試みたことはあった。しかし、今回 […]
    クラフトバンク総研記者川村 智子
  • 2025.09.04

    「地域の守り手」としての存在感を高める 伊東建設業協同組合

    今年5月に開催した伊東建設業協同組合の総会にて、堀口組(静岡県伊東市)の堀口正敏社長が理事長に就任した。50年以上の歴史を持つ同組合は、若い世代がリーダーシップを発揮する土壌が脈々と受け継がれている。就任直後の挨拶で堀口 […]
    クラフトバンク総研記者松本雄一
  • 2025.09.02

    企業永続を見据えた組織化に本腰 姶良電設

    入社間もない頃、現場作業に従事している時は、順調に業績が伸びていると思い込んでいた。しかし、姶良電設(鹿児島県姶良市)の東鶴真児社長は「いざ決算書を見ると、初めて債務超過に陥っている現実を知った」と当時を振り返る。経営面 […]
    クラフトバンク総研編集長佐藤 和彦
  • 2025.08.29

    新たなステージを見据えた活動に注力 ナガタ

    ナガタ(秋田市)の永田勲社長は、「現状維持は衰退の始まり。従業員を守るためにも売り上げを確保し、どのような状況下でもステップアップできる姿勢を貫く」という明確なスタンスを打ち出している。木造住宅の解体や再生可能エネルギー […]
    クラフトバンク総研記者信夫 惇