「誰かの笑顔のために」、三瓶工業がDX駆使で新たなステージへ
更新日:2025/5/22
㈱三瓶工業(山形県天童市)は2022年、設立50周年を記念して会社のロゴや制服、ヘルメットなどのデザインを刷新した。アイデア作りからデザイン製作までを一括で依頼した先は東北芸術工科大学。地元の芸大生との連携により、これまで「やんちゃ」に見られる傾向もあった会社のイメージを、「明るく楽しい」印象に変えることに成功した。こだわりを見せた点は、「若者の新しい発想を取り入れること」と「皆に愛着を持たれるデザインにすること」。この企画は4年生の授業の一環として進められ、決定には社員投票も取り入れたことで、期待以上の成果を残すことができた。

社内では昨今のDXが加速する状況を考慮し、三瓶社長はアナログからの脱却を決意。LINEワークスや大幅に事務作業の負担を軽減する経営管理システムを導入し、生産性向上を実現している。「日ごとの利益把握や、出面表からそのまま請求書を作成するなど、DX化のメリットは計り知れないことが初めて体感できている。弊社には、若手社員や実習生も多いので、早期に浸透できるよう引き続き定着を目指したい」と実感を語る。効率化できた人材採用業務に振り向けられるなど、より戦略的かつ人間的な価値の高い「人材採用業務」に集中できるようになった。今年は施工管理技士を務める女性社員も入社。会社全体にこれまでにないポジティブな要素を生み出せているようだ。

専門工事から元請けまで幅広い業務に携わる㈱三瓶工業では、会社のキャッチフレーズを「For someone’s smile 誰かの笑顔のために」に設定している。これには住居やビル、道路などのインフラ整備は、社会貢献に直結しており、工事を通して地域に喜びを届けたいという三瓶社長の思いが込められている。「建設業は、地図に残る、未来に残る建物を『かたち』にできる魅力的な仕事。業務を通して、弊社に関わる全ての方々に笑顔を提供できるようになりたい」と理想を述べる。社内には建築および土木の基礎を学び、現場監督になるキャリアパスも充実しており、先輩社員が後輩に対して資格取得のサポートするスタンスを徹底している。

三瓶社長は、「今後も多様な形で地元の発展に貢献できるよう、社員の育成・定着に向けて改善・改革を続けたい」と強い意志を示す。「この先に出会う方々を笑顔にするために、常日頃から最善を尽くしていく」。新しいデザインに込められた数多くの希望と共に、㈱三瓶工業は更なる飛躍を目指していく。
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この記事を書いた人

クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。