函館林業土木協会
更新日:2026/6/9
【日本林業土木連合協会・副会長に就任】
函館林業土木協会の戸沼淳会長(戸沼岩崎建設・代表取締役社長)が、今年2月に日本林業土木連合協会の新副会長に就任した。これまで戸沼会長は、北海道の南地域の青年組織「函館建青会」の会長を務めるなど、地元の建設業団体で実績を重ね、地域の安全確保や発展などに多大な貢献を続けてきた。今回、副会長に就いたことを受け、「全国組織の要職は初の経験となり、大きなプレッシャーを感じている。しかし、この機会を活せるよう、組織全体を俯瞰しながら、林土連の方針を速やかに各会員企業に周知・浸透させていきたい」と明確なスタンスを示している。

【世代交代を果たした仲間たちと共に】
戸沼会長は、会員同士の強固な結束力を活かした組織運営を心掛けている。この背景には、「既に約8割の会員企業が、世代交代を果たしている点が大きい」と言及する。業界全体で後継者不足が喫緊の課題となるケースが多い中、ここまで着実に事業承継を順調に進めている団体は、他地域にはないと見て取れる。この優位性を活かせるよう、団体のトップとして、次はどのような策に取り組むか趣向を凝らす。戸沼会長自身も約20年前に帰郷して以来、函館建青会などの組織で地域の仲間と固い絆を築き、切磋琢磨を繰り返してきた。「今の理事は同年代が多く、損得抜きで何でも相談できる」と心の底から述べる言葉には、長年培ってきた信頼関係の重さが宿っている。この強固な結束力こそが、難局を切り拓く原動力となっているようだ。


【ICT・DX推進で現場環境の改善を】
戸沼会長は、「課題は言うまでもなく担い手不足」と危機感を募らせる。山間地での作業が中心となる林道土木は、通信環境すら整わない過酷な条件下にあり、若い世代が敬遠しがちだという現実は否定できない。このような現況に対し、戸沼会長は「テクノロジーによる抜本的な施工環境の改善」を提唱。「林道土木は、機械化において立ち遅れている要素が多い。このような現実から目を背けず、ICTやDXの導入を一気に加速できれば、まだ生産性向上などの面では飛躍の余地がある」と強調する。自身が目指すのは、熟練の経験や勘だけに依存せず、デジタル技術からサポートを受けた若手が正確な施工を担える仕組み作りである。「担い手確保の鍵は、技術のアップデート」と銘打ち、現場の意識改革を推進し続ける方針を固めている。

【重点的な予算配分を強調】
道南地域は、有珠山や駒ヶ岳などの活火山を抱え、1993年の北海道南西沖地震や2000年の有珠山噴火など、常に自然の猛威と隣り合わせの歴史を歩んできた。次の噴火に対する警戒も怠れない中、戸沼会長は「持続的な経営には『災害ありき』の予算構造からの脱却が不可欠だ」と断言する。有事の復旧予算に依存するのではなく、脱炭素や国産材利用への関心の高まりを活かし、造林や森林管理など事前防災に重点的な予算を配分する必要性を訴える。「森林整備を通じて、地域の安全保障を担うことが私たちの使命だ」と協会の存在意義を再認識し、更なる組織強化を続けていくことを誓っている。

【地域に不可欠な存在になるために】
戸沼会長は、今後の展望について「地域から今以上に必要とされる業界であり続けるため、団体としての活動を活性化していく」と思いを述べる。「これまでより誇りを持って働ける環境が整備できれば、自ずと道は拓けるものだと信じている」と、道南地域だけでなく、日本林業土木連合協会の副会長としても、引き続き全国的な取り組みに力を入れる姿勢を強めている。郷土の山を守る実直な姿勢と、広い視野を併せ持つ戸沼会長。直近で取り掛かるべきは、人手不足への対応や各社の経営基盤の強化、技術力の向上だと理解している。戸沼会長の言動が、全国の林道土木にどのようなプラスの効果をもたらしていくかに注目したい。

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この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 松本 雄一
新卒で建通新聞社に入社し、沼津支局に7年間勤務。
在籍時は各自治体や建設関連団体、地場ゼネコンなどを担当し、多くのインタビュー取材を実施。
その後、教育ベンチャーや自動車業界のメディアで広告営業・記者を経験。
2025年にクラフトバンクに参画し、記者として全国の建設会社を取材する。







