菅与組が5年間の変革に挑む
更新日:2026/9/24
今年6月、菅与組(秋田県潟上市)の代表取締役社長に畠山宗太郎氏が就任した。

創業105年の歴史を誇る同社が、120周年を迎える頃には「2040年問題」など社会構造の激変が予想されるが、畠山社長は「従来のやり方のままでは生き残れない」と危機感を表す。直近においてもAIの急速な発展が著しい。このような局面を打破していくため、就任からの5年間を「勝負の変革期」と定め、「最優先事項として、若手人材の採用と育成に着手する」と宣言する。「残された時間は多くない。この5年間の過ごし方が、今後の会社の行く末を決定付けると覚悟し、あらゆる手段を尽くしたい」と覚悟を示す。

長く地元で名の知られる老舗企業・菅与組であっても、畠山社長は「特に若い求職者には、当社の実態が行き届いていない現実がある」と本音を漏らす。直近では採用者が施工管理と現場作業での認識のギャップで離職したことを踏まえ、近年では自社PRのあり方を根本から刷新することを決意。若手の主導で開設したInstagramや、20代と30代の社員の視点も多く盛り込んだ新作業服の導入はその一環だという。自社のホームページを一新した際も、企業の規模や実績を誇る従来型からの脱却に挑戦。「必要以上に会社の看板に頼るのではなく、そこで働く『人』のリアルを届けることこそが採用の鍵になる」と結論付け、働く個々人のストーリーを伝えることで、ミスマッチを最小限に防ぐ試みをスタートさせている。

採用などの改革と並行し、畠山社長はDXによる組織全体の生産性向上も意識する。国交省が進めるICT施工を現場で導入する一方、事務作業では表計算ソフトへの依存などアナログな状態が続く課題が残っていた。世代交代を見据えた引き継ぎ作業を手掛ける今こそ、バックオフィス改革の絶好機と捉え、この5年間で様々なシステムを検証・導入し、オフィス業務の省力化を一気に推進する構想を掲げる。「最前線である現場と事務・管理部門のデジタル化を同時に実現して、初めて組織の本領を発揮できる。採用・定着とDXを掛け合わせる『両輪の変革』こそが、次の時代を生き抜くたには不可欠なピースだ」と確信を持って語る姿が勇ましい。


新社長として会社の舵を取る畠山社長が、経営の根底に据えるのは105年かけて培ってきた地域からの絶大な信頼である。元請けとして大型の公共工事を担う一方で、住民からの相談にも即座に応対できる泥臭い地域密着の体制を敷く。「数字に表れる実績だけではなく、街の困りごとに寄り添う徹底的な姿勢こそが、我が社の真骨頂である」と胸を張る。畠山社長は「どれだけ時代や技術が変わろうと、地域の人々にとって困った時に一番に顔が浮かぶ企業であり続けたい」と不動の決意を見せる。長い歴史の中で築き上げた関係性と実績を誇りに、菅与組の挑戦は今後も続けていく。

会社のInstagram:https://www.instagram.com/sugayogumi_akita/
この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 信夫 惇
建通新聞社に10年間勤務。東京支局・浜松支局・岐阜支局にて、県庁などの各自治体や、建設関連団体、地場ゼネコン、専門工事会社などを担当し、数多くのインタビューや工事に関する取材に携わる。
2024年にクラフトバンクに参画。特集の企画立案や編集、執筆などを手掛けている。







