クラフトバンク総研

三重電業協会

更新日:2026/6/24

【創立50周年を迎える】

 三重電業協会は今年、創立50周年の節目を迎えた。団体の舵取りを担うのは、就任13年目の川合淳会長(富士電設・代表取締役)である。川合会長は就任当初、年上の役員らに勇退を願い出て、「現役世代による運営」を宣言した経緯がある。改革の柱としたのが委員会の刷新。担い手確保や先端技術の導入を担う専門委員会を新設し、形式的な報告のみに終始する会議から、経営の第一線を走る者同士がぶつかり合う真剣な議論の場へと変貌させた。「自分の息子に、どのような過程を踏めばこの生業を繋ぐべきか。その一心を分かち合える会員と一緒に、事業の再編と価値の創造に取り組んでいる」と基本スタンスを示している。

【「50周年宣言」での決意表明】

 川合淳会長は、50周年の節目となった今年の定時総会で「50周年宣言」を発表。同宣言は、会員に対するアンケートで浮き彫りとなった諸課題の克服に向け、協会の総意を結集させている。人材への投資や業界変革といった喫緊の課題に加え、地域防災や再エネ活用を通じた地方創生への貢献などを盛り込んでいる。総会当日には、課題解決に向けた白熱したディスカッションも行われ、今後はこれらを具体的なアクションプランに落とし込む方針を掲げる。「個社ではなく『三重県全体の電気業者の総意』と明文化することで、行政への陳情・請願を行うための強力な『武器』にする」と長期的な視点を軸にした展望を語る。

【地産地消を実現する】

 川合会長は大手企業や行政に過度に依存しない、地域企業が「主人公」となる社会的構造を目指している。その中心として据えるのは、エネルギーの地産地消だ。過去には四日市公害を経験した地において、再生エネルギー比率がわずか1%に留まっている現状に対し、川合会長は「恥ずべきこと」と厳しい視線を注いでいる。先進事例である小田原市のモデルを引き合いに、「自然豊かな三重の地でも再エネで街を賄うことは可能だ。これを地域の常識に変えていきたい」と、エネルギーのあり方の再定義を求める。その実現に向け注力しているのが、「業種を超えた防災ネットワークの構築」。幅広い施工業者や資材メーカーとも連携し、非常事態に備えた電源・通信に関わる復旧体制の整備を急ぐ。「有事の際に地域を支え抜けるからこそ、エネルギーの地産地消を実現できる」と川合会長は確信を持って語る。

【AIに勝る「職人の技」を極める】

 急速に発展するAIに対し、川合会長は「長年の経験と実績に裏打ちされた職人のセンスや勘所は、決して代替できない」と断言する。「AIに負けないためには、中途半端な仕事は許されない。とことん感覚を研ぎ澄まし、名人や匠の域に達する技を身に付ける必要がある」と危機感を強める。「茶道や華道のように、自らの『道』を突き詰める精神こそが、これからの専門工事業が生き残る鍵となる。職人が誇りを持って技を磨き続けられる社会に変えていきたい」。川合会長の眼差しは常に真剣そのもので、更なる躍進に向けた施策を今後も実施していくはずである。

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