クラフトバンク総研

東京都電気工事工業組合・青年部会

更新日:2026/7/14

【「次世代の育成」に注力】

 山下幸司氏(ヤマシタ電気・代表取締役)が、東京都電気工事工業組合・青年部会の会長に就任し、2期目を迎えている。「この業界を変えるため、前提とされてきた認識を変えたい」と自ら名乗り出て、異例のスピードで就いた重役。1期目では、FAXなどアナログ式で進めていた組合の情報共有を、データベース化に変換するなど、様々な組織内の変革を進めてきた。しかし、山下会長は「1期目・2年間を既定路線からベクトルを変えることに費やし過ぎた。今期は次世代の育成に注力したい」と展望を語る。これを体現するように、自身の補佐役を担う役員(副会長・会計)には、30代を中心にした4人の次世代経営者を指名。既に今期での会長退任を表明することで、各自に当事者意識を持たせ、新しい領域への挑戦を促している。

【「ワクワク」と「ドキドキ」がある】

 昨年10月には開かれた、全日本電気工事業工業組合連合会の全国大会では、関東代表としてプレゼンテーションを実施。「組合のメリットは何?」というテーマに対して、「組合には『ワクワク』と『ドキドキ』がある」と発表し見事に会場中を魅了。抑揚のある特有の提案により金賞を受賞した。「私自身がミッションとして掲げるのは『業界に所属する人々の意識を変えること』。今までは『どうせ無理』と最初から諦めていた事柄でも、やり切ったという小さな過程を積み重ねることで、成功体験に繋げることができる。会長としては、このようなきっかけを与え続けられるよう、残された任期を全うしたい」と気持ちを全面に表す。業界の中には、「仕事の話は、仲が深まってから始めるべき」などの「べき論」が先行するなど、まだ先入観や固定観念に縛られている人も多い。このような現状を打破するためにも、山下会長は「業界全体が盛り上がれば人が集まり、それが自社の売り上げに繋がるなど、具体的なメリットを体感する必要性も感じている。これまでにない機会を提示できるよう、青年部としての動きも加速化させていく」と意欲を見せる。

【残された期間にできることを】

 山下会長は近年、青年部の講習会にてファイナンシャルプランナーを招聘し、基礎的な経営に関する知識を習得できる機会なども設けている。ゼネコンとの関係性などに対しては、「これは慣習だから」と今まで何となく続けてきた事柄が多く、客観的に見ると明らかに「正常ではない」と考えざるを得ない現実も残っている。ここから脱却を図るには、「地道だが汗をかいて力を付けるしかない。現状では、組織運営をする上での土台を築いている段階だが、この蓄積が必ず花開くと信じ継続する」と見立てを話す。青年部で活動するための原動力は「電気業界に居る人々の意識を変えたいから」。業界全体での認知度が上がれば、若者は就職・転職先としての選択肢に入れ、それは最終的には各社の発展にも繋げられる。あらゆる物事に対して、冷静かつ中長期的な視点で捉えられる点が、多くの人を惹き付けられるポイントのようだ。会長としての任期は、あと1年余り残されている。この限られた期間に、山下会長がどれだけの財産を築けるか興味が尽きない。

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