埼玉県建設産業団体連合会
更新日:2026/8/21
【連合会の会長に再任】
今年6月に開催した埼玉県建設産業団体連合会の通常総会にて、伊田登喜三郎会長(伊田テクノス・代表取締役会長)の再任が決定した。同団体は、埼玉県内のゼネコンや専門工事、コンサルタントなど、21団体が正会員として加盟する連合組織。現在、全国には35府県の建産連組織が存在するが、その歴史の先駆けとなったのが埼玉県である。かつて埼玉県建設業協会の会長などを歴任し、ゼネコンの立場から業界改革を推進してきた伊田会長。2期目の舵取りを担うことに関して、「業界全体が抱える共通の課題に対して、一致団結して対応することが求められている。その重責を全うできるよう全力を尽くす」と改めて決意を述べる。

【自治体の9割が最低制限価格制度を導入】
近年注力し、大きな成果を上げたのが、市町村に対しての「委託業務における最低制限価格制度」の導入である。小規模な工事や設計・調査などの委託業務において、適正な受注価格が守られない現実を憂慮し、建産連と委託関係8団体が約3年に渡り粘り強く自治体に対して要望活動を続けた。その結果、現在では約9割の県内自治体が導入を果たす形になったという。伊田会長は「かつて民主党政権下で仕事が激減した際、県内の設計・測量会社が疲弊し、貴重な技術者が東京に流出し続けた耐え難き経験がある。地元の業者を存続させるには、まず『生活ができる環境』を整えることが先決だ」と地域インフラの維持におけるポイントを示す。団体が結束して継続的に声を上げたことが行政を動かす原動力となり、個別の企業・団体では成し得なかった業界改善を成し遂げた瞬間となった。

【「魅力ある建設業」を作る】
伊田会長は、最優先課題に「人手不足の解消」を掲げている。旧態依然としたネガティブなイメージが根強い状況に目を背けず、現状を打破するための「処遇改善」と「イメージアップ」を両輪にした抜本的な改革を提唱する。処遇面については、公共工事で進む是正を民間にも波及させる必要性を説き、「受注単価を底上げし、他産業に引けを取らない給与水準を実施しなければ、人材獲得競争のスタートラインにすら立てない」と警鐘を鳴らす。その一方で、イメージアップの鍵を握るのが「広報とDX」と断言。小中学生を対象にした絵画コンクールなどを通じ、次世代に建設業の魅力を訴える活動を継続する。会員に対しては、講習会でのドローンに関する資格取得を支援。「今やDXの活用は現場管理では当たり前の時代になった。IT技術やVR導入を加速化し、現場を『選ばれる産業』に塗り替えたい」と固い決意を見せる。「数年で建設業界の見方は必ず変える」という信念のもと、DXで建設業の景色を変えるための意識改革を力強く推進していく。




【総合力を最大化する】
建設産業の川上から川下までを網羅する団体の特色を活かし、伊田会長は「建産連では各団体の『総合力』の最大化を目指す」と表明する。各業種のバランスを配分した役員体制を敷き、特定の分野に偏らない『全建設産業の総意』の形成を心掛ける。「21の異なる専門性が1つの意志を貫けば、社会を動かす大きな力になり得る」と確信を持つ。各委員会でそれぞれの理事が本音をぶつけ合い、課題を多角的に検証する機会も存在する。この徹底したボトムアップの姿勢こそが、団体としての組織力を鍛え、埼玉の建設産業を下支えしている。職種の垣根を越え、地域インフラの守護者としての社会的地位を確立する埼玉県建設関連産業団体連合会。伊田会長の舵取りは、時代に即した新たな価値を積み重ねており、埼玉の建設産業に揺るぎない誇りをもたらしている。

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この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 松本 雄一
新卒で建通新聞社に入社し、沼津支局に7年間勤務。
在籍時は各自治体や建設関連団体、地場ゼネコンなどを担当し、多くのインタビュー取材を実施。
その後、教育ベンチャーや自動車業界のメディアで広告営業・記者を経験。
2025年にクラフトバンクに参画し、記者として全国の建設会社を取材する。







