次なる成長を視野に、近藤建設が組織体制を強化
更新日:2026/9/4
今年10月に近藤建設(埼玉県ふじみ野市)が創業65周年を迎える。不動産やリフォーム、システム会社などをグループに持ち、設計・施工から維持管理までワンストップで担える体制を強みに、確固たる地位を確立している。現在、トップとして組織を運営するのは宇佐見佳之社長。2005年に代表のバトンを継ぎ、20年以上に渡り会社を牽引している。「これまでリーマンショックや東日本大震災、コロナ禍といった想定外の試練が数多く続いてきたが、長期的な視野を基に取り組めたことが現在に繋がっている」と前向きなスタンスを堅持する。


会社としてのターニングポイントは「地域密着戦略への転換が成功したこと」。2000年代前半までは大手ゼネコンやデベロッパーの仕事を請け負い、現在の倍近い売上高を誇っていた。しかし、宇佐見社長の中には、常に事業の在り方に関する疑問が残っていたという。「売り上げは残せても現場の疲弊が続き、会社全体のアイデンティティが揺らいでいると感じていた。今こそ原点である『地域に必要とされる建物を造る』ことに立ち返るべきと判断した」と当時を振り返る。創業者・近藤博政氏が重んじてきた「地域密着」「親戚づきあい」という理念を継承しつつ、「快適生活応援企業」としての再出発を宣言。名刺から工事看板、現場の養生シートに至るまで、KONDOグループの事業コンセプトとして策定した「幸せを建てる」を記載することでメッセージを浸透させ、現在の地域に根ざした経営基盤を形成した。



次なる成長を見据え、宇佐見社長は他社とのアライアンスによる事業領域の拡大を推進する。2018年には、次世代木造建築技術のCLTの普及を図る「日本CLT研究所」に加盟。同分野の先駆者であるライフデザイン・カバヤ(岡山市)と技術交流を重ね、現在では10棟以上の施工実績を残している。近年では、様々な企業との高度な技術・ノウハウ共有も進められており、「自社だけで完結せず、『共創』によってお互いの強みを掛け合わせることで、大きな相乗効果を生み出せている」と他者との連携を深める特徴を述べる。

宇佐見社長は、当面の目標を「次世代にできるだけ課題のない状態で会社を引き継ぐこと」と明言する。特に社員の育成には力を入れ、幹部候補の選定と未来に向けた社内研修・プロジェクトとして「マーケティング大学」を定期的に開催している。1年前の取り組みでは、100年へ向けたビジョンマップを策定。「私たちは幸せの虹をかけています」「KONDO Happiness」「未来に続く幸せの道」などのフレーズを盛り込んだスローガンを掲げ、既に若手社員による自発的なプロジェクトが数多く立ち上がっている。近藤建設が紡いできた「親戚づきあい」の精神。「これが時代に合わせて、形を変えながら関わる人々を笑顔にできることが理想」と思いを込める。中長期の目標である100年企業として、幸せのアーチを掛け続けられるのか。今後、彩られることが予想される鮮やかな道に興味が尽きない。



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この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 松本 雄一
新卒で建通新聞社に入社し、沼津支局に7年間勤務。
在籍時は各自治体や建設関連団体、地場ゼネコンなどを担当し、多くのインタビュー取材を実施。
その後、教育ベンチャーや自動車業界のメディアで広告営業・記者を経験。
2025年にクラフトバンクに参画し、記者として全国の建設会社を取材する。








