次のステージに向けた動きを加速 飛田鉄筋工業
更新日:2026/9/15
「会社経営に携われるチャンスが目の前にある。これを逃すと後悔が残ると感じた」。
飛田鉄筋工業(東京都板橋区)の飛田拓也専務が、新卒で外資系企業に7年ほど勤め、30歳を迎える前に肌で感じた本音である。家族からは生まれてから1度たりとも、祖父が創業した家業を継いでほしいと頼まれたことはない。しかし、勤務先では出世頭だったとは言え、順調に進んでも部長クラスまでだとイメージが出来てしまったこと。また、自身が携わることで鉄筋工事業界を少しでも改善したいとの思いが溢れたことを機に、「確かな覚悟を持って入職できた」と経緯を語る。


入社当初に最も驚いたことが、業界内では「社会保険の未加入が問題になっていたこと」。自社を含め所属する団体の会員企業には無縁の話だったが、「働く上で当然と考えてきた事柄が、課題として取り上げられるギャップに衝撃を受けた。これからは目の前で巻き起こる現実と向き合い、1つずつ課題を克服していこうと誓った出来事だった」と振り返る。現在は、営業をメインに採用など総務関係の業務も手掛ける。数年前までは毎年新卒を採れていたが、不況の煽りを受けて募集を掛けられなかった影響が響いている。30~40代の社員が極めて少ない状態を考慮し、現状は「ベテラン勢が若手の育成に更に意識を向けることで、組織力の強化を進めるべき時期」と明確な指針を示している。


飛田専務は、東京鉄筋工業協会では青年部会長を務めている。青年部では、若年鉄筋技能者の指導から資格取得まで、鉄筋事業の専門家集団を育成するために趣向を凝らしており、「鉄筋業界を盛り立てるため、あらゆる手段を尽くしている」と実感を込める。「時期は未定だけど~」と前置きはしつつも、既に脳内では社長に就くシミュレーションも始めているようで、「当面は現状維持に全精力を傾けつつ、常に新たな可能性をキャッチできるよう万全の準備を徹底したい」と基本スタンスを示す。現在地は、3代目としてのバトンを受け取る手前の時期に当たる。この貴重な期間を次に活かすためにも、「今は先代から引き継いできた知識・経験の全てを、次の世代を担う若手に継承することに集中したい」と並々ならぬ意欲を見せる。課題が山積みの状況に変わりはない。しかし、「常に作業環境を改善し、他産業との格差を解消することで、魅力ある鉄筋工事業を作る」という気概をベースに、今後も飛田専務は堅実な組織運営を手掛けていく。


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この記事を書いた人
クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。








