創業100周年を見据え、中日建設が果敢な挑戦を継続
更新日:2026/9/3
中日建設(名古屋市中区)は昨年度、元請けとして受けた名古屋高速道路公社の大型工事を完遂するなどして、過去最高益を記録した。代表取締役として会社を牽引するのは髙木賢一朗氏。3代目の社長として組織の舵取りを担ってから、間もなく6年を迎えており、創業から今も無借金経営を貫いている。先代から受け継いだ堅実な経営基盤を活かしながら、DXも積極的に導入しており、髙木社長は「社員の生活の安定と向上を最優先にし、持続可能な会社作りを心掛けている」と基本スタンスを示す。


社内では、約50名の施工管理を担当する社員が最前線に立つが、平均年齢が52歳と高齢化の課題が影を落とす。そこで同社は、若手社員が孤立しない独自のチーム配置を5年前から徹底。ベテランと20代の間にメンターとして30代の中堅社員を置き、同期入社である若手同士が同じ現場で働けるよう、配属に細心の注意を払ったことで、新卒社員の定着率100%を維持させることに成功した。トンネルとダムを除く、ほぼ全工種の土木を手掛ける同社。この特色を活かした柔軟な配置も実施したことで、地元の大学や高校などから、定期的な入職者を迎え入れられるよう変革を果たせた。髙木社長は「若手を決して孤立させないセーフティネットこそが、離職を防ぐ強力な盾となる」と離職を防ぐ秘訣を打ち明ける。


人材定着の取り組みと並行して、同社では現場のデジタルシフトも加速させている。髙木社長は「やった方が良いと考えたなら、まずトライしてほしい。上手く物事が進まない場合は、その時に取り止めれば問題ない」と臨機応変なスタイルを堅持。使用するツールの強制などはせず、大枠のテーマだけを現場に投げかけ、実行・運用は完全に現場に任せているという。社内では生成AIによる書類作成や、専用アプリを使った危険予知活動など、日々トライ&エラーが繰り返されている。月に1回の頻度で開かれる技術委員会では、事例を共有するといった仕組み化も良い循環を見せているようだ。

直近では、今後の市場変化を見据え、大手民間のインフラ維持需要を確実に取り込むルートを模索。IPH工法などコンクリート構造物の補修や、補強工事の分野を強力に伸ばす方針を指し示している。このような動きもする中、地元の小中学校への出前授業にも尽力し、建設業界の魅力を次世代に伝える活動も欠かさない。

同社には歴代、70歳で次期社長に引き継ぐ慣例がある。髙木社長が70歳を迎えるのは、奇しくも創業100周年のタイミングになる。「会社のモットーである『明日につながる街づくり』を推進し、100周年まで中日建設を存続させ引退することが私の目標だ」と並々ならぬ意欲が衰える気配はない。若手が活性化する組織として、果敢な挑戦を続ける姿は常に進化しており、中日建設は今後も先駆者とし新たな道を切り拓き続ける覚悟を見せている。

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この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 信夫 惇
建通新聞社に10年間勤務。東京支局・浜松支局・岐阜支局にて、県庁などの各自治体や、建設関連団体、地場ゼネコン、専門工事会社などを担当し、数多くのインタビューや工事に関する取材に携わる。
2024年にクラフトバンクに参画。特集の企画立案や編集、執筆などを手掛けている。








