社長就任を機に、東建が可能性の拡張を追求
更新日:2026/9/10
東山祐士氏が昨年、東建(東京都八王子市)の代表取締役に就任した。幼少期からバーベキューなど会社のイベントに参加しており、「いずれ引き継げる存在になりたいな」との思いを抱き続けてきた家業。新卒ではIT系の会社に就職し、まさに知見を広げている25歳の時に、社長であった父親が急逝。想定外の形で入職を果たす形となった。「社内には子供の頃から可愛がって頂いた方も多く、そこまで不安を感じることは無かったが、実際に現場に出ると当初は心身共に疲弊し、慣れるまで時間を要した」と当時を振り返る。同じ状況下から15年近く社長を務めた母・久子氏に感謝を示しつつ、現在は自身が会社を牽引する立場を任されている。

会社としては長年、法面工事の調査・設計・施工を一気通貫で担えることを武器としてきた。この特徴を活かしつつ、8年前から東山社長は「1つの工種だけに固執し続けると、いずれ行き詰まるのは明白だ」と判断。近年では、道路工事など新たな選択肢を設け、打開策を模索する。「現状維持は衰退の始まり。先行きの不透明な時代だからこそ、先端技術を扱えるよう腕を磨き、新たな領域に辿り着く準備が不可欠」と基本スタンスを示す。日頃から発注者である都・市とも積極的な意見交換を行い、「企業はもちろんだが、役所としても柔軟な思考で動いてほしい」と一貫した主張を展開。行政側に対しても働き方改革の実施や生産性向上を促すなど、綿密なコミュニケーションを重視している。

東山社長に建設業の魅力を聞くと、「1人では何も成し遂げられないこと」との即答があった。特に公共工事ではその要素が強く、「文字通り、個ではなく社会全体の利益のために、集まった多くの会社が1つのものを作り上げられる。この一体感は何物にも代え難く、完成後の充実感は唯一無二だ」と包み隠さず醍醐味を語る。会社のトップに就いて以降、常に考えていることは、「若い人たちが働きやすい環境を作ること」。代々受け継がれてきた会社を永続させていく意志も強く、「この点に関しては、何が最適解かは導き出せていないなぁ」と微笑みを見せる。悩みは尽きない。しかし、「これからの時代を生き残るため、最善を尽くしていく」という思いは誰よりも強い。「人々の日常にある『当たり前』を、縁の下の力持ちとして支え続ける」。心の中心にある信念は常にブレず、今後も継続的な成長を遂げることを誓っている。

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この記事を書いた人
クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。








