職人育成塾ふくしま・いわき校が開校
更新日:2025/4/25

「職人育成塾ふくしま・いわき校」が9月30日に開校した。コンセプトは、建設ものづくり技能者を養成し、工作物を通じ人々の暮らしを豊かにすること。訓練生の公募からトレーニング、就職のサポートまでを手掛け、地域の職人不足の解消や地域振興に繋げていく。

福島県いわき市に本社がある田村建材と大和電設工業と山一緑化土木、いわきサッシの4社で設立された同校は「専門工事業における人材確保・技術継承」、「廃校施設を拠点とした地域振興」という大きく2つのミッションを掲げる。発起人は田村建材の田村哲朗社長。業界と地域の職人不足に直面する中、香川県高松市の職人育成塾の事例を参考に、廃校になり利活用が必要になっていた旧・白水小学校を校舎として開校させた。
参加費は無料。応募は、学校まで通うことができ、建設業未経験者でものづくりに興味があれば誰でも可能となっている。一期生は30歳前後の訓練生ら10人が集まり、基礎から訓練を受けている。


カリキュラムは、LGS下地とボード、サッシ、電気、クロス、床、設備、エアコン、緑化土木の9工種で構成し、4社とその協力会社の職長クラスの職人が指導に当たる。最初の約2週間はモックアップ作成を通じて、9工種の基礎を実習し、次の1週間で興味を抱いた工種を実践的に習得する流れになっている。その後は、外部講座を活用し、携帯用丸のこや足場、フルハーネス、アーク溶接、玉掛け、高所作業車に関係する資格取得を支援する。

田村建材の吉田伯孝取締役は、「事業を確固たるものにするため、厚生労働省の建設労働者育成支援事業としての採択を目指したい」とし、「いずれは、この地区が『職人育成の街』として注目され振興につながれば嬉しい」と話す。
開校式には内田広之市長らが来賓として参加。合わせて、市と職人育成塾ふくしま・いわき校が災害協定を締結した。そのため、必要に応じて災害時緊急一時避難施設として使用し、備蓄品設置場所も確保している。

2025年以降は春と秋の年2回開催予定で、定員は10~15人を予定している。
この記事を書いた人

クラフトバンク総研 記者 信夫 惇
建通新聞社に10年間勤務。東京支局・浜松支局・岐阜支局にて、県庁などの各自治体や、建設関連団体、地場ゼネコン、専門工事会社などを担当し、数多くのインタビューや工事に関する取材に携わる。
2024年にクラフトバンクに参画。特集の企画立案や編集、執筆などを手掛けている。