建設業の倒産が過去10年で最多 帝国データバンク調査
更新日:2025/4/26
帝国データバンク(東京都港区)は、2024年の建設業倒産動向調査の結果を発表した。
負債1000万円以上の法的整理による倒産が1890件に達したことを明らかにし、過去10年で最も多かったことが分かった。業種別では、大工工事や鳶工事など「職別工事」が879件、土木工事など「総合工事」が600件、電気工事など「設備工事」が411件と、いずれも前年を上回った。特に「職別工事」「設備工事」は過去10年で最多となっている。

従業員数別に見ると「10人未満」が最も多く1742件、「10人以上50人未満」が143件、「50人以上100人未満」が5件と続き、「100人以上」は2年連続で発生せず、小規模事業者が大半を占める結果となった。

また、建築資材価格の高騰による「物価高倒産」は250件で全体の13.2%を占め、「人手不足倒産」も99件発生している。コロナ禍で導入したゼロゼロ融資の返済開始による影響も表れ、融資後倒産は143件に上っている。建設業の価格転嫁率は43.7%と全業種平均の44.9%を下回り、資材価格高騰分を価格に反映できない状況が続く。団塊世代の後期高齢者化も控え、倒産件数は今後も高水準で推移する見通しである。
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クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。