クラフトバンク総研

松本産業が循環型社会の実現に挑む

更新日:2026/1/19

金属スクラップリサイクルを主軸に資源循環を担う松本産業(兵庫県尼崎市)は、今年12月に創業80年を迎える。常務取締役の松本章宏氏は、「地球環境の保全と循環型社会の構築への貢献」を掲げて歩んできた歴史を胸に、「SDGsが浸透し、環境配慮が前提となる今、鉄鋼業は新たな転換期にある。高品質の材料を供給し続けたい」と展望を語る。その静かな口調の奥には、確かな覚悟が宿っている。

事業承継を見据えて大学で経営学を学んだ松本常務は、新卒で家業に入った。約5年間、現場に立って鉄の匂い、作業の段取り、職人特有の技を全身で吸収。その後、習得する知見を経営・管理・総務に広げ、会社の中枢を担う立場へと着実に進んだ。「現場を知らずに経営は語れない」。その姿勢を入社初期から一貫して続けている。

平均年齢の上昇は避けて通れない課題だった。担い手が細れば、技術や経験を繋ぐ基盤が揺らぐ。この観点を重視し、松本常務は採用強化を目的に制度改革に着手。完全週休2日制への転換と年間休日を120日超に拡大したこと。また、オンライン会議やデジタル技術を導入できたことで、近年では異業種からも20〜30代の若手社員を迎え入れることに成功した。「若い社員の確保には、外部研修や資格取得支援など、会社側の体制を整えることが重要。この先、鉄スクラップの重要性は間違いなく高まる。品質維持の強化と安全性の向上を追求することで、社会の需要に応える企業であり続けたい」。端的に思いを表す言葉からは、揺るぎない信念と意志が滲み出ている。

松本産業は今秋、山田工業(兵庫県尼崎市)・岡本社長の誘いを受け、建設業など生産現場で働く人々を支えることを目的にした団体「クール・ブルー(Cool Blue)」に加入した。「業界は一朝一夕では変わらない。しかし、同じ志を持った企業同士が共通の動きを見せることで、突破口を見出せると信じている。当社が掲げる最初の目標は、『まずはリサイクル業を知り、興味を持ってもらうこと』。この点を留意し、信頼ある会員企業と共に、誠意をもって事業に取り組んでいきたい」と覚悟を示す。地域の中学校に出張授業にも出向き、松本常務自身はSNSも積極的に運用する。これまで培った知識・技術を未来の担い手に繋ぐため、現段階から地道だが堅実な道を作る姿は刮目に値する。

長年積み上げてきたノウハウを次世代に繋ぎ、貴重な資源である金属スクラップを確かな品質で循環させていく——松本産業はこの使命を主軸に、地球環境の保全と循環型社会の実現に挑み続ける。未来をより良いものに変え続けたい。松本常務の思いに迷いはなく、今後も確かな足取りで歩みを続けていくはずだ。

Instagram:https://www.instagram.com/matsumotosangyou.metalrecycler

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