クラフトバンク総研

富士防が「改修工事はカッコ良い!」世界を目指す

更新日:2026/7/6

 富士防(神奈川県横須賀市)が、防水技術研修「Fujibow Waterproofing Training」を開始した。同研修は、次世代の防水職人育成を目的とした、実践的な防水技術・現場管理者の育成プログラム。職人が心身ともに健康で働きながら、長期的に成長できる環境づくりの一環として実施している。同社やグループ企業・レインボウ(横浜市中区)の職人だけでなく、横須賀市の協力会社である2社も参画。現在は、合計15人が防水施工の知見などを体系的に学んでいる。岡田圭太常務は、「今回のプログラムは、当社の『現場を支えるのは職人』という理念を基に、地元の企業・人の技術力を強化するためにスタートした。今後は参加企業を更に拡大し、改修業界全体の底上げと共に、地元・横須賀の技術力向上にも貢献したい」と話す。建設キャリアアップシステムの推進に対する姿勢と同じく、その言葉からは強い意気込みが感じられる。

 社内では、大規模修繕工事の現場事務所に、秘書検定を取得した女性スタッフが常駐する「なでしこ現場コンシェルジュ」など、独自の活動も進めている。「現場では、工事中の洗濯物に関する相談や、小さなお子さま連れの方への配慮など、高いホスピタリティが必要になるケースも多い。ホテルクオリティのおもてなしを実現することで、居住者の不安を最小限にし、快適な住環境を徹底できる体制を確立したい」と思いを語る。実際にこの取り組みは、神奈川県から「神奈川なでしこブランド」として、女性が開発した優れた事業に認定されるなど浸透を見せている。同社には、毎年10人程度の新卒社員が入社を果たしており、女性でも多様な働き方ができるよう間口を広げている特徴がある。

 岡田常務は、「もっと世間から価値を認められ『改修工事はカッコ良い!』と理解されたいから、様々な施策を打ち出している」と自身の原動力を明らかにする。具現化を進めるには、旧来のイメージからの脱却や、付加価値を更に上げる必要があるなど課題も山積みである。このような状況の中で、岡田常務は「真っ先に取り組むべきは、社員が誇りを持って働ける環境を整えること」に設定。これからも、社員一人ひとりがやり甲斐を持ち、楽しみながら働ける職場を目指すという強い意欲を示す一方で、「経営者として、この試行錯誤は終わらないな」と微笑む姿も魅力的である。事業承継の予定を尋ねると「10年くらいかな?」と打ち明けた直後に、「いや、でも私は5年以内には任される存在になりたい」と力強く言い直す印象的なシーンを垣間見た。創業以来、社員の結束力とワンチームの精神を大切にし、確かな技術力と管理力、そして人間力の溢れるきめ細やかなおもてなしを提供することで、改修工事業界を邁進してきた同社。次世代に向けてどのようなバトンの引き渡しを見せるのか。「若さ」で活気溢れる社内状態だからこそ、その変遷は興味深く、今後の展開に注目である。

新着記事

  • 2026.07.03

    新社屋竣工の丸西組が、「誠実・信用・和」を軸に発展に注力

     丸西組(石川県小松市)が、新社屋の建設を進めている。  約50年前に建てた現在の本社は、老朽化と社員増加に伴い、利用する上で制約が増えていた。働く場所としての機能が限定的で、何より建築部と土木部、そしてグループ企業のウ […]
    クラフトバンク総研記者信夫 惇
  • 2026.06.30

    若手の活力を武器に、天井丸建設が次のステージを見据える

    「まさに青天の霹靂だった」と、2019年の社長就任時を振り返るのは、天井丸建設(宮崎県児湯郡)の小田洋史氏である。岩国市の地場ゼネコンで経験を積んだ後、「そろそろ生まれ育った地元で働きたいな」と、同社に所属して9年近くが […]
    クラフトバンク総研編集長佐藤 和彦
  • 2026.06.26

    馬淵建設が「不屈の精神」で未来を変える

     馬淵建設(横浜市南区)が、採用基盤の安定化に向けたブランディング強化を加速させている。昨年に開設した公式Instagramでの積極的な情報発信に加え、オリジナルキャラクター「うまぶちくん・まぶりん」を載せた看板広告を横 […]
    クラフトバンク総研記者松本 雄一
  • 2026.06.23

    AI駆使により、大高建設が可能性を拡張へ

     今年4月、大高建設(富山県黒部市)の代表取締役専務に大橋賢生氏が就任した。同年4月1日に創業80周年を迎えた同社。創業者を曽祖父に持つ大橋専務は、誰かに指示を受けた訳ではなく、自らの意志で「いつかバトンを引き継げる存在 […]
    クラフトバンク総研編集長佐藤 和彦