AI駆使により、大高建設が可能性を拡張へ
更新日:2026/6/23
今年4月、大高建設(富山県黒部市)の代表取締役専務に大橋賢生氏が就任した。同年4月1日に創業80周年を迎えた同社。創業者を曽祖父に持つ大橋専務は、誰かに指示を受けた訳ではなく、自らの意志で「いつかバトンを引き継げる存在になりたい」と思索。新卒で入社した北陸銀行(富山市)では、金融・経済の知見を蓄積。その後、所属した熊谷組(東京都新宿区)では、営業や現場常駐の管理業務などのノウハウを習得したキャリアを持つ。「幼少期から『地域のために働きたい』という思いは強かった。現在地をスタート地点と捉え、これからも積極的な取り組みを手掛けていきたい」と意気込みを述べる。


会社としては、昨年4月からAI導入の検討を始め、12月からは社内外に向けたアウトプットもスタートした。特に会社が掲げる重点テーマ「安全最優先」を理想に近付けるため、現場の写真をAIに読み込ませ適切なプロンプトを入力することで、危険予知のポイントをまとめた資料を作成。今年の安全衛生フォーラムでは、協力会社に全てAIで作成した情報を提示すると、各社からは「ここまで現実が進んでいると知らなかった」などの声が上がったという。大橋専務は「現在もトライ&エラーを続けている状況だが、これらを更にスピードアップさせれば、安全面と労働生産性の向上を飛躍的に果たせると考えている。安全に関しては『過剰』という概念はないので、今まで無かった手法にも着手することで、盤石な体制を構築したい」と意向を示す。社内には、除雪車オペレーターを体験できる仕組みや、学生にダムや橋などインフラ施設を仮想空間内で体感できるVRを、ゼロから作り上げられる部署も存在する。「新たな挑戦を試みる中で、優秀な社員に囲まれている状態は本当に心強い。この長所をスムーズに活かせるよう、社内のコミュニケーション活性化をサポートしたい」と先を見据えている。



大橋専務は、会社の課題に「替えが効かない社員が多いこと」を挙げる。既に完全週休2日などの働き方改革を実現しているが、「現段階では突如、誰かが長期的に抜ける事態が起きれば、右往左往してしまう可能性は高い」と分析する。長く働くベテラン技術者は多く、近年では新卒も毎年採用できている。しかし、今は社歴の浅い若手社員でも、いずれは産休・育休を取得する時期は来る。近い将来には必ず到来する事態を想定し、今から「若手だけでなく、中堅社員を採用・育成するための準備を進める必要がある」と言明する。大高建設が最も大切にする価値観は「安全」である。黒部奥山での現場作業は、泊まり込みもあり過酷な状況も多い。このような現実と向き合い、特殊な環境下でも高い技術力の駆使で、安全を守れるよう全力を尽くしている。「当社の優位性は、言うまでもなく『人』。会社を信じて当社に在籍を決めた社員から、今後も『大高建設に入って良かった』と実感して貰えるよう、新たな挑戦を続けていきたい」と明確なスタンスを堅持し、大橋専務は日々更なる発展を目指している。



この記事を書いた人
クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。







