若手の活力を武器に、天井丸建設が次のステージを見据える
更新日:2026/6/29
「まさに青天の霹靂だった」と、2019年の社長就任時を振り返るのは、天井丸建設(宮崎県児湯郡)の小田洋史氏である。岩国市の地場ゼネコンで経験を積んだ後、「そろそろ生まれ育った地元で働きたいな」と、同社に所属して9年近くが経過していた。自身の意図とは無縁の形で突如回ってきたバトンに、驚きを見せつつも「せっかくだから挑戦してみようと考えた」と微笑みを見せる。社長に就いた頃の社員数は10人だった。しかし、現在は約30人が控える体制となり、急速な発展を見せている。若手採用を円滑に進められた経緯を、「しばらくの期間、様々な求人広告に課金しトライ&エラーを繰り返した。その後、会社のホームページを作成し、媒体との相互リンクを貼ることで相乗効果を図る最適解に辿り着けた」と語る。

今までは宮崎県と新富町を中心に土木事業を展開してきた。手堅い経営を続けられてきたと自負しているが、「このまま現状維持を続けると、先細りするのは明白のため、九州農政局のパイプライン工事などにも取り掛かる必要性を感じている」と率直に述べる。新富町には、航空自衛隊の新田原基地など、これからの需要が見込める土木事業も存在する。このような長く地元を知り尽くした利点も活かしつつ、「これまでにない選択肢を確保しなければ、生き残りが難しい時代に突入するはずだ」と先を見据える。近年では、徐々にではあるがICT施工なども取り入れている。常に新たな領域に挑戦する姿勢と堅実な計画が同居するスタイルは魅力的で、どのような変遷を辿るか興味深い。

小田社長は、「毎年、多くの若手社員に入社して貰えるのは嬉しい。しかし、なかなか売り上げに直結し切れていない現実もあるので、当面はこの点を意識しながらの軌道修正を心掛けたい」と覚悟を見せる。社内にはベテラン技能者と、20~30代の現場代理人も多く在籍しており、「今後は現場でのノウハウを2人体制で着実に覚えられるよう、スムーズな組織運営を実現することがテーマ」と課題を挙げる。現在、同社の宮崎県内での等級は「Aクラス」に位置しており、小田社長は「2030年には『特Aクラス』として定着させたい」と目標を語る。社員の平均年齢は40代で、現状では外国人労働者に頼る予定はないという。会社の理念に「建設を通して地域の暮らしを豊かにすること」を掲げる天井丸建設。小田社長は、あらゆる可能性を想定した動きを見せており、常に中長期的な視点に基づいた経営を実施する方針である。


この記事を書いた人
クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。







