「ホームデコ」が好調のフィディアが、時代に沿った経営を継続へ
更新日:2026/7/30
フィディア(鳥取県米子市)には、創業から公共工事を主軸としながら、リフォーム・ガーデニング事業である「ホームデコ」を、30年に渡り展開してきた実績がある。多様な組織の舵取りを担う人物が武良靖之社長。「時代の流れに沿った新しいタイプの建設業を創ることが使命」と並々ならぬ意欲を見せている。

公共工事の売り上げが行き詰まりを見せ始めた約30年前。リフォームとガーデニングを組み合わせた「ホームデコ」事業を創設し、現在は山陰両県に4店舗を運営する。性差、年齢、経験、資格による採用を取り止め、個々人の能力と個性に軸足を置いた基準に転換。男性中心のイメージが強かった職場環境を、テレワークを含めたDXの導入や、残業ゼロの働き方改革など継続的な改善を実施したことで、全社員47人のうち31人が女性、管理職の約8割を女性が占めるように変化した。


直近では、約20人の女性アドバイザーが在籍しており、年間約1800件を成約する上に、リピーター率5割という驚異的な数字を誇っている。店舗では、雑貨花苗販売の他、地域に向けて毎月150件以上(4店合計)のカルチャー教室とイベントを開催。来店型の新しいスタイルを構築したことで、店内には常に楽しい笑い声が溢れるようになったという。


フィディアは、リフォームといえば「建設業者」という概念を、より身近な存在に位置付けることに成功した。これまでの道のりを支えてきたのは、「顧客に寄り添える体制と仕組みづくり」という信念。武良社長が松江店長の時から重視してきたポリシーであり、「いくら建築のプロが専門知識を振りかざしても、この点を疎かにすればお客さまには何も伝わらない」と今も変わらないスタンスを堅持する。スタッフは、問い合わせ対応から施工管理、入金確認に至るまでの全工程を1人で担当する。未経験者でも即戦力となる鍵が、社内で共有する独自のデーターベースと標準単価表である。商品の発注ルートから原価まで完全に可視化した仕組みが存在すれば、新入社員でも翌日には明確な見積もりの提示が可能と判断。トップスタッフは上半期だけで90件を成約・管理し、入社わずか3ヶ月の未経験者でも40件の契約を生むなど結果を出している。「お客さまにとって、金額がその場で明示される安心感とスピーディーな対応が、深い信頼に直結している」と顕著な成果を誇らしげに語る姿が印象的である。


武良社長は「ホームデコ事業単体の売り上げ10億円が見えてきた」と明言する。建設業界で監督や職人の採用が年々難しさを増す中、「人の集まる会社に、仕事は集まる」との信念を基に、性差・年齢・経験・資格に捉われない採用を継続。目指すのは、各自の能力と個性で実力を発揮し成長する「ジャズバンド」のような組織。目標の背景には、関わる全ての人が報われる企業になるための徹底した視座の高さがある。「お客さまとスタッフ、地域の夢をカタチに」。その経営理念が根付く限り、フィディアの挑戦が途切れることはないはずだ。


フィディアのホームページ:https://fidia-japan.com/
この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 信夫 惇
建通新聞社に10年間勤務。東京支局・浜松支局・岐阜支局にて、県庁などの各自治体や、建設関連団体、地場ゼネコン、専門工事会社などを担当し、数多くのインタビューや工事に関する取材に携わる。
2024年にクラフトバンクに参画。特集の企画立案や編集、執筆などを手掛けている。








