「当たり前」を前提に、島屋建設が社会生活を守り抜く
更新日:2026/4/28
2026年4月に島屋建設(石川県金沢市)の島洋之氏が、社長に就任してから10周年を迎えた。経営理念に掲げるのは「『当たりまえ』があり続ける時代へ」。「若い人に選ばれる会社。地域の中でも選ばれる会社」として定着するため、数々の施策を打っている。

社長に就く決意をしたのは、入社からわずか2年しか経っていない時期。周囲から「若い時にこそ経験を積むべき」と背中を押されたこと。また、社員からの真摯なサポートを感じ取れたことを受け、「会社の本質を変えない、真っ当な経営を志した」と当時を振り返る。当初抱いたのは、情報発信や社内体制の遅れに対する危機感。まずは自ら手を動かしホームページを立ち上げ、自社および建設業界の魅力を伝えるための取り組みを始めるなど、小さな変革から歩みを始めた。

しばらくしてから、本社社屋の建て替え機運も高まっていたこともあり、建て替えを決断。敢えて「建設業らしくない建物」を志向。業界イメージの刷新と採用力の強化を実現するため、部署横断のプロジェクトチームを組成し、可能な限り社員の声を反映させた。「2022年の竣工後は、働く環境と企業イメージの双方に変化を与えられた。社員がSNSで何気ない日常も配信するようになり、新たな地域との接点も生み出せた」と経緯を語る。ありのままの企業の姿を届けるスタンスは共感を呼んでおり、地元プロサッカークラブである「ツエーゲン金沢」のスポンサー活動にも精を出すなど、認知向上と地域貢献の両立を叶えている。

能登半島地震の発生時には、石川県からの要請に基づき、被災地での道路の段差解消や穴埋めなどの緊急対応に尽力した。資材が不足する中でも簡易合材での対応を試みるなど、現場の判断力で地域インフラを支えた。「自身が被災しながらも復旧に当たる社員を目の当たりにして、建設業の使命を改めて体感した」と真剣な眼差しで話す。2025年の春には、震災を契機に「地域の守り手になりたい」と県外から金沢にUターンを決めた地元出身者が入社。建設ディレクターとして、若い社員が活躍できる土壌も生まれ、現場と内勤の橋渡し役としての重要な役割を果たしている。

島社長は、「会社の理念に込めた『当たりまえ』には、2つの意味を込めている」と改めて言及する。「1つは、道路やインフラが存在し続ける社会の基盤を守ること。もう1つは、社員の雇用を守り続ける企業として責任を果たすこと」。130年を超える歴史と、県内でいち早く舗装業を手掛けた実績を誇りに、時代の変化に対応し続ける覚悟を示す。「未来への展開も見据え、安全・安心な社会生活を守り抜く」。地域に根差しながら、次の時代にも選ばれる企業として更なる輝きを放たれるよう、島社長の挑戦は続いていく。

この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 信夫 惇
建通新聞社に10年間勤務。東京支局・浜松支局・岐阜支局にて、県庁などの各自治体や、建設関連団体、地場ゼネコン、専門工事会社などを担当し、数多くのインタビューや工事に関する取材に携わる。
2024年にクラフトバンクに参画。特集の企画立案や編集、執筆などを手掛けている。








