「建設・介護」事業の両輪で、共英が可能性を拡張へ
更新日:2026/4/21
道路舗装・土木工事などを行う共英(東京都江戸川区)は、2015年に経理部門のアウトソーシングを敢行した。実施に踏み切った人物は、同年に代表取締役に就任したばかりの荒井香名氏。「売り上げは順調のように見えていたが、どうしても利益が残りにくい体質を変えたかった。実行直後に経理責任者が退職するなど、しばらく苦しい状況も続いたが、結果的にキャッシュフローの改善も果たせた」と変化の経緯を話す。外部に委託するということは、あらゆる資料を提出した上で、何を聞かれても正確に答えられる環境を整えること。当初、社内からの反発も大きかったが、それまで何となく続いていた「どんぶり勘定」も解消でき、健全な組織運営を進める重要な一歩になったという。

共英では、2000年4月に施行した介護保険制度のタイミングを見計らい、2001年から福祉用具のレンタル・販売に関する事業をスタートした。「土木建設・建機レンタル事業は、24時間・365日の応対が求められる仕事。この絶対に止められない業務を継続するには、建設業とは別分野での売り上げを確保する必要性を感じた」と本音を述べる。その後、居宅介護支援・デイサービス・サービス付き高齢者向け住宅も開設。いつ何時でも正確な処置が必須の介護事業は、建設業との親和性が高く、「この循環を作れたことが、建設業を絶やさない仕組みの確立に繋がった」と自信を覗かせる。近年では、ベトナムやバングラディッシュからの実習生が特定技能の資格を取得するなど、これまでにない勢いを会社全体に生み出せている。

荒井社長は「インフラの維持・整備は、社会の安定化において最も重要なテーマ」と言明する。国民の生命・財産を守る上で、根幹の役割を果たす建設業。共英の施工技術は、大手ゼネコンから厚い信頼を獲得しており、今なお事業拡大を続けている。数年前には留学経験もある息子が入社し、社員自らの意志で動く組織文化の醸成も始まった。「失敗を恐れずにチャレンジし続ける」という会社のミッション通り、完璧を求めずとも挑戦を止めないスタイルが、会社全体に浸透するよう心掛ける。「会社は生き物。だからこそ社員同士が切磋琢磨できる環境を構築し、共に誠実な成長を遂げたい」と語る荒井社長の眼差しは光りを帯びている。2つの事業を両輪としてバランス良く回すことで、建設業を絶やさぬよう努める共英。荒井社長による丹念な経営は、近い将来に新たな可能性として花開くはずである。
この記事を書いた人
クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。








