関内営業所の開設を機に、サカクラが新たな戦略を目論む
更新日:2026/4/17
昨年12月にサカクラ(横浜市磯子区)が、関内に新たな営業所を開設した。坂倉賢副社長は、「交通利便性の高い拠点を構えることで、顧客対応の強化を図れる。採用する上でのポイントとしても活用していきたい」と明かす。同社は、神奈川県内初の大規模修繕工事会社として、1940年に創業した。近年では、三井不動産らによる旧横浜市庁舎跡地の大規模再開発「BASEGATE横浜関内」において、塗装・サイン工事を任されるなど、横浜の中心部で確固たる存在感を放っている。


関内進出は、横浜の都市開発の潮流を見据えた戦略的な一手である。坂倉賢副社長は、「山下公園通り周辺地区の再開発をはじめ、2020年代は関内・山下エリアなどで大規模プロジェクトが目白押しだ。これらの需要を取りこぼさないよう、細心の準備を進める考えだ」と基本スタンスを語る。2030年代には山下ふ頭の再開発も控えている。自身は、20年に横浜青年会議所理事長を務めるなど経済・建設団体の要職を歴任しており、「これまでの人脈を貴重な機会に活かせるよう、あらゆる想定に入りたい」と見立てを述べる。横浜のランドマークとなる重要プロジェクト。地域社会と積み重ねてきた信頼と実績が、どのような形で花開くか注目だ。


坂倉副社長が最優先に掲げる目標は「若手の早期育成」である。直近では、5年連続で新卒の離職率をゼロにしており、着実な実績を積み重ねている。「新築工事を手掛ける大手企業では、責任ある立場に就くまで20年を要することも多い。しかし、改修が主体となる当社ならば、5〜10年でプロジェクトリーダーを任せられる。全体を俯瞰し成長を体感できる環境が、若手社員の成長と定着に繋がっている」と分析する。この育成基盤を採用強化にも繋げており、学生には「大規模修繕は、建て替えに比べCO2を70%、廃棄物を96%削減できる」と強調する。たった今、目の前で説明を受けている事業は社会貢献性が高い。本業の追求が地球環境への配慮に直結すると分かると、咄嗟に表情に輝きを見せる学生も多いようだ。

今後の事業展望に関して、坂倉副社長は「2026年度は100人の体制で売上高100億円、一人あたり1億円の達成を目指す」と定義する。生産性をより向上させることで、社員に対する還元を増強させる見立ても示しており、最新技術への投資を加速することも見据える。既に将来的な事業承継を考え始めており、「生え抜きの社員に伝承することが理想」と未来を思い描く。布石として、優秀な人材を惹きつける採用形態を構想中であるなど、既成概念に囚われない人財戦略にも注目だ。80年以上の歴史と若き社員のエネルギーが絶妙な融合を見せるサカクラ。不断の努力の延長線上には、どのような景色が待ち受けているのか。筆者は今回の関内営業所の開設が、同社のエポックメイキングになると確信している。

この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 松本 雄一
新卒で建通新聞社に入社し、沼津支局に7年間勤務。
在籍時は各自治体や建設関連団体、地場ゼネコンなどを担当し、多くのインタビュー取材を実施。
その後、教育ベンチャーや自動車業界のメディアで広告営業・記者を経験。
2025年にクラフトバンクに参画し、記者として全国の建設会社を取材する。








