地域の当たり前を守るため、大和電機が知見を追求
更新日:2026/7/14
大和電機(鹿児島県霧島市)は、今年7月に創業55周年を迎える。現在社長を務める岩﨑健太氏は「この55年は、父である現会長が1人で興した当社が、様々な方々に支えられてきたことにより、現在まで存続できている」と迷いなく語る。時代の変化に呼応し事業領域を拡張し続けてきたが、今後は「地域ユーザーへの更なる貢献に注力していく」と新たな未来を描いている。


創業から電気工事を基軸に地域に根差してきた同社に、大きな転機が訪れたのは2011年の東日本大震災だった。震災支援として現地に赴いた岩﨑社長は、エネルギーインフラの重要性を痛感。「エネルギーは転換期を迎えている」と現実を直視し、東北と鹿児島の2拠点で迅速な情報収集と意思決定を遂行した。国の方針により、固定価格買取制度が始まった同時期の2012年に、南九州初となるメガソーラー「やまとソーラープラント伊集院」の操業にこぎつけた。「現場で感じた再生可能エネルギーに対する使命感と、一緒に被災地を訪れた仲間が新たな扉を開く原動力になった」と当時を振り返る。


同プロジェクトを皮切りに大和電機は経営の多角化に舵を切り、「大和電機グループ」として10社を抱えるまでに飛躍を遂げた。電源開発や保守管理、電力小売など多様なサービスを扱う「サステナブル・エナジー・カンパニー」と存在意義を再定義し、環境と持続可能性を両立させている。制度変更や市場変動の影響を受けやすい再生可能エネルギー事業においても、安定した事業展開を目指すため、グローバル展開に取り組み、2019年からはシンガポールにも拠点を構える。

岩﨑社長に会社の強みを問うと、「一人ひとりのスタッフ」との即答があった。社員の幸せを大切にしたいという哲学は、挨拶とコミュニケーションを起点に社内に浸透しており、「日頃から自律的に考え行動する風土の醸成を心掛けている」と思いを述べる。健康経営優良法人の認定や、家族参加型のイベントなどの制度を導入したことも、自身が掲げる哲学の延長線上にあり、その独自のスタンスは採用にも良き影響を与えているという。最近では、地元の専門学校の若手がインターン経由で「様々な挑戦ができる会社」と共感し入社を決めるなど、グループ全体に好循環をもたらしている。

社長就任から12年が経過したが、岩﨑社長は「次の世代にバトンを繋ぐために全力を尽くす」と明確なスタンスを示す。既に太陽光や風力、バイナリー、バイオマスなど自然エネルギーを前提とする時代が到来している。人を思いやることで環境に配慮し、環境を守ることで未来を作るという自身が願い続けてきたサイクル。「今、弊社がやるべきことを的確に捉え、今後も邁進していく」という言葉からは、同社のこれからに向き合う真摯な姿勢が伺える。「地域のお客さまの暮らしを支えるため、今後も堅実に歩みを進めていく。電気は人々の暮らしに不可欠なもの。地域の当たり前の生活を守るため、今後も知識と技術の蓄積を追求する」という決意を新たに、岩﨑社長は今後も日々の改善・改良を進めていく。
この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 信夫 惇
建通新聞社に10年間勤務。東京支局・浜松支局・岐阜支局にて、県庁などの各自治体や、建設関連団体、地場ゼネコン、専門工事会社などを担当し、数多くのインタビューや工事に関する取材に携わる。
2024年にクラフトバンクに参画。特集の企画立案や編集、執筆などを手掛けている。







