会社の未来を切り拓く経営に入る 森建設
更新日:2026/4/22
森建設(鹿児島県鹿屋市)が、昨年12月に創業70年を迎えた。同社を牽引する森義大社長は「自身の能力・人間性以上に伸びる会社は存在しない。企業の成長は経営者の器によって決まる」との持論を堅持する。飛躍を続ける総合建設会社のトップとしての覚悟。その確固たるスタンスで今なお業界の先頭に立ち、会社の未来を切り拓いている。

森社長が家業に就いたのは30歳を迎える直前だった。当時は公共土木工事を主軸にしており、完成工事高は15億~20億円の幅を推移していた。県内では売り上げが60番目程度の規模だった現実に対して、間もなく「鹿児島県でナンバー1の会社にする」と決意。32歳の若さで社長に就任したことを機に、自らがトップセールスとして現場に出向き、人間関係をベースにした事業を創出。社内では施工力の強化や現場監督の増員、エリア展開も積極的に進めながら、「お客さまからの全ての要望に応えるよう全力を尽くした」と振り返る。その結果、バランスの取れた事業構成を実現し、売り上げは140億~150億円に上昇。グループ全体では380億円規模に達するなど、飛躍的な成長を遂げられた。現在の事業エリアは鹿児島から九州一円に広がりを見せ、ベトナム進出まで果たしている。


森建設は、本社を人口が約2000人の鹿屋市輝北町に構えている。多くの企業が都市部に拠点を移す中、森社長は「小さな街から発展を提示できるよう、雇用と活力を前提とした動きを加速化していきたい」とこだわりを見せる。敢えて創業の地に残り続ける信念。この強い思いを具現化するため、建設業だけでなくドローン事業や宇宙産業、メタバースといった新分野にも挑戦する。「これらの継続は、当社グループの『地方の建設会社が多様なチャレンジを行う』というブランド確立に繋がった」と意向を示す。既にM&Aによるグループ経営も進めており、外国人材を受け入れるための協同組合を設立するなど、地方企業の枠を超えた取り組みにも尽力している。


森社長は「70周年という節目も売上拡大も通過点に過ぎない」と明言する。常に目指す姿勢は社員に対する還元であり、「当社で働く人々が、更なる誇りを持てる会社になるよう改善・改良を繰り返したい」との思いを強く持つ。社員からの提案はまず試してみて、転職によるステップアップでも応援する。この風通しの良い企業文化の醸成が、良い人材を呼び込める秘訣となったと理解できる。「経営者の役割は、会社を次の世代に引き継ぐこと。私より優れた人材が現れれば、いつでも社長の座を託す覚悟だ」と言い切る表情は晴れやかである。小さな町から大きな未来へ。森建設の挑戦は、地方建設業の可能性として輝きを増していくはずである。



この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 信夫 惇
建通新聞社に10年間勤務。東京支局・浜松支局・岐阜支局にて、県庁などの各自治体や、建設関連団体、地場ゼネコン、専門工事会社などを担当し、数多くのインタビューや工事に関する取材に携わる。
2024年にクラフトバンクに参画。特集の企画立案や編集、執筆などを手掛けている。








