間口の広さを武器に、井木組が体制強化を実施へ
更新日:2026/5/29
井木組(鳥取県琴浦町)は、土木・建築・住宅・リフォームに関して、真っ先に相談される「ファーストコールカンパニー」を目指している。同社は、鳥取県で創業110年を超える歴史を持つ総合建設企業。2025年には、売り上げ約60億円を記録するほど成長を遂げている。国土交通省からも「工事成績優秀企業(ゴールドカード)」に認定され続けており、人材育成から新規開拓まで幅広い改革を進めている。井木敏晴社長は「地域にある様々な建設課題を解決するため、引き続き盤石な企業基盤を築く」と力強い意志を見せる。

これまでは、山陰道など大型の土木案件が業績の多くを占めていた。しかし、今後は整備完了に伴い公共工事が縮小し始めることを受け、国・県が発注する新規プロジェクトや、米子・境港エリアで計画されている道路整備事業などの拡張も模索する。近年では、工場・倉庫の改修を専門にしたワンストップサービス「工場倉庫お助け隊」部門を設立するなど、収益の多角化も進めている。


会社としての競争力の源泉を、井木社長は「間口の広さにある」と言い切る。社内には、現場監督40人・建設技能者50人が社員として所属。需要の変動に自社内で応対できる組織力を構える状況下にあるが、改めて「現段階のうちに新卒採用の注力や、外国人材の監督登用、メンター制度を介した若手が定着するサポート体制を構築しなければ、激流に飲み込まれる可能性が高い」と危機感を表す。この難題を克服する鍵となるのは「直営施工部隊の徹底的な強化」と見立てる。最優先事項を「知識・技術の蓄積」と設定し、現在は技能者の育成に注力する協議会への参加も検討する。「スイスには、職人を200〜300人規模で採用し、自社施工に徹する企業も存在する。人口 2 万人を切る琴浦町から、同様のプロジェクトを成し遂げることで、全国の良き手本として鳥取県をPRしたい」と未来を描いている。


井木社長は「来期の売り上げ目標に70億円を掲げている」と前を見据える。昨年は、安全点検分野でもDXを導入し、社内体制の補強も実施した。以前より進めてきた社員のマルチタスク化の効果もあり、今なお有給取得率の上昇と生産性向上は両立を実現しているという。井木社長は「社員は人生での多くの時間を当社内で過ごす。社員の幸せを考えれば、職場環境の改善に全力を尽くすのは当然のこと。社員が胸を張れる会社として確立できるよう、あらゆる挑戦を続けていく」と明確な覚悟を示し、今後も可能性の追求を繰り返していくことを誓った。



この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 信夫 惇
建通新聞社に10年間勤務。東京支局・浜松支局・岐阜支局にて、県庁などの各自治体や、建設関連団体、地場ゼネコン、専門工事会社などを担当し、数多くのインタビューや工事に関する取材に携わる。
2024年にクラフトバンクに参画。特集の企画立案や編集、執筆などを手掛けている。







