クラフトバンク総研

愛媛県建設業協会

更新日:2026/7/16

【西山周氏が新会長に就任】

 今年5月29日に開催した愛媛県建設業協会の定時総会にて、西山周氏(愛亀・代表取締役社長)が第32代の会長に就任した。地場に根差した477社が集う歴史ある団体。12支部4部会を束ねる協会トップとして、「今までの先人が築いてきた伝統を重んじ、時代に即した組織運営を心掛けていきたい」と意気込みを述べる。自社では道路舗装を生業とし、「舗装業界からの会長就任は異例だから」と謙遜しながらも、外的要因に左右される業界の舵取りを担うことに、並々ならぬ覚悟を示している。

【最優先事項を見極めるために】

 任期は2年間。西山会長が就任直後から向き合うべき問題点は、人手不足や資材高騰、働き方改革、ICT化、事業承継など、数えきれないほど存在している。「文字通り、課題は山積みの状況で厳しい。しかし、まずはこの数ヶ月で何を最優先事項にすべきか、見極めていくことが最初の仕事だと捉えている」と本音を話す。具体的な政策を矢継ぎ早に打ち出していくのではなく、歴代会長が積み上げてきた功績と、時代の変化の両面に柔軟に対応する方針を掲げる。当面は前会長や協会員らとの対話を重ね続け、ベクトルを揃えることを優先的に始める意向を示している。

【エッセンシャルワーカーに脚光を】

 協会運営のスタイルは、今年6月~7月に開催したワールドカップになぞり「サッカー型」と明言する。監督がベンチから指示を出す野球型ではなく、選手全員が動きながら考え、状況を見ながら決断することを志す。「全員が活動を続ける中で、疑問点が出ればその場で共有し前に進む。この観点こそが時代に合った協会の姿だと考える」と持論を展開する。12支部4部会それぞれが地域に密着して、独自の判断でプラスの要素を見出せる同協会では、日頃のチームワークこそが非常事態での底力になると確信を持つ。西山会長が強く訴えるのは、「建設業こそエッセンシャルワーカーの最たる存在」だという信念。南海トラフ巨大地震への備えとして、愛媛県でも道路啓開計画が進む中、その役割はより鮮明になっている。「これらに関わる人々に脚光を当てる流れを作らなければ、日本の強化が進むことなない。インフラ整備に従事する人々を称えられない国は衰退の一途を辿る可能性が高い」と危機感を表す。業界全体の底上げを見据えながら、「その公益性の意識こそが建設業の存在意義だ」と言い切る眼差しに迷いは見えない。

【競争と共存の間で】

 愛媛県建設業協会では近年、青年部の活動が活発化している。若手経営者の顔ぶれも増える中、西山会長が期待するのは「競争と共存」の両立である。「競争だけでは地域を守ることはできない。『共存』という視点に重きを置くことで、地域密着の仕事は成り立つという現実を忘れず、団体を動かしていきたい」と語る。これらの根底にあるのが、建設業そのものへの揺るぎない愛着である。建設業の魅力に関しては、「ものづくりに携わることは、理屈抜きで楽しいものだ」と即答する。父が戦後にアスファルトを敷いた姿を見て育ち、気づけば自分も舗装の道に進んでいた。この醍醐味を現代の若者に届けるには「最前線の情報を業界内だけでなく、一般社会にも積極的に発信する必要性を感じている」と強く訴える。

【新たな風を吹き込む】

 建設業の健全な発展と、公共の福祉の増進。創設から変わらぬ協会の理念を礎に、西山会長は新たな船出を迎えた。地域インフラの整備や、災害時の応急処置を通じて地域社会を支える「地域の守り手」としての誇りは年々増している。舗装業界から協会のトップに辿り着いた西山会長が今、愛媛の建設業界に新しい風を吹き込もうとしている。新体制が、県内の建設業界にどのような変容をもたらしていくのか。業界全体が、西山会長の経営手法に注目しており、それは今後の行く末を左右すると捉えても過言ではない。

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