増田実宏さん(株式会社巽企業・代表取締役)
更新日:2025/5/2
創業48年目の昨年12月に代表取締役に就任した。20年近く専務として会社の下支えをしてきたが、満を持して舵取りを担う形になり、「業界全体も見渡せるよう努めている」とスタンスを示す。


社内では、この10年で型枠工事の「完全分業制システム」を確立。加工、運搬、建込、解体の各部門を切り離した運営を始めてからは、職人の技術・生産性の向上も実現した。「12年ほど前から多くのインドネシア人実習生を受け入れており、技術の習得を早期化するために分業制を導入した。昨今では、特殊な形状の建物や環境に配慮した施工体制が要求されることが多いが、焦らず腰を据えた経営を目指している」と現状を語る。


「建設業は、Googleマップに50年後も作品を残すことができる魅力的な産業。今後も『ものづくり』の誇りが伝えられるよう、堅実な組織運営を心掛けたい」と思いを述べる。「やる気さえあれば、最短期間で一人前に育て上げられる」と自信を見せる通り、入社した社員が着実に成長できる環境は整備されている。現在は、日本人の若手育成にも意識を向けており、実現までの道のりも興味深い。「後世に残る静岡の遺産を手掛けたい」という、巽企業の「ものづくりへの熱意」が途絶えることはない。


株式会社巽企業のホームページ:https://tatsumi-katawaku.net/
この記事を書いた人

クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。