クラフトバンク総研

石井組が未来を切り拓く改革に注力

更新日:2026/3/16

石井組(富士市)の7代目社長である石井肇氏は、「社員一同で静岡東部No.1企業を目指している」と前だけを見つめている。これまで富士市環境クリーンセンターや、JR新富士駅北口の広場改良などに携わることで、地域の人々に豊かな生活を提供してきた。会社の創立は1899年。社名をアレンジした「いきな、しごとを、いつまでも。」をモットーに、創業150周年に向けた組織強化を進めている。

石井社長は、新卒で上場企業に就職し、マンションなどの施工管理を手掛けていた。しかし、5年ほど経ってから勤務先の倒産を経験。父親であり現会長の石井源一氏からの要請により、2005年に参画を果たした経緯を持つ。当時は「折しも建設業は悪というイメージが流布された時代だった。公共工事に重点を置く体制に不安を覚え、民間工事の受注にシフトし始めた」と現在に繋がる戦略を打ち明ける。近年では、日本国内におけるBIM人材育成に限界を感じ、海外に活路を求めた。自社のみならず、設計事務所や他県の企業にも出資を募り、ベトナム・ホーチミンにBIMを専門に取り扱う新会社を設立。複数社でリスクと可能性を共有する新たな挑戦を進めている。社内では、女性をリーダーに抜擢したDXチームを発足。これまで培った企業文化の刷新も手掛けており、ホームページ更新やSNS発信を実施したことで、年間約10人の採用を実現する体制を作り上げることに成功した。

企業としての存在意義を、石井社長は「社会的な責任を果たすこと」と明言する。特に地域との接点強化を意識しており、サイクルロードレースへの協賛や、町内会への災害用備蓄品の寄付、自社での子ども向けイベントへの出展など、従来にはない施策を次々と打ち出す。障害者採用にも力を入れており、現在は3人を雇用。「建設業は地域社会と切っても切れない存在。率先して誰もが必要とされる環境を作ることが、地場の活性化に繋げると信じている」と語る姿が印象的だ。

人口減少や担い手不足など先行きが不透明な時代に突入する中、石井社長は「現状維持では立ち行かない。改革は端緒に就いたばかり」と現状を判断。「石井組の老舗としての揺るぎない信頼を武器に、これからも地域社会と二人三脚で歩みたい」と力強く話す。社是に掲げる「関係する全ての人びとの幸福と人格向上」は、石井社長の言動を端的に表したようで、常に一貫性を感じさせる。未来を切り拓くことに挑み続ける石井組。今後の更なる飛躍に興味が尽きない。

Instagram:https://www.instagram.com/ishiigumi_official/

新着記事

  • 2026.08.21

    業界で最も信頼される大規模修繕工事会社を目指す 大和

     大規模修繕工事を手掛ける大和(横浜市中区)が、業務効率化を加速させている。2021年には、社内に「IT推進企画室」を新設。強固な情報セキュリティの構築や、様々なデジタルツールを導入したことにより、生産性向上を強力に進め […]
    クラフトバンク総研記者松本 雄一
  • 2026.08.12

    新理事長の就任を機に、青山が鉄筋業の生き残りを模索

     今年5月に開催した石川県鉄筋業協同組合の通常総会にて、理事長に青山(金沢市)の青山毅士社長が就任した。20年もの間、1人で理事長を務めた小寺洋志裕氏(コデラ・代表取締役会長)から引き継いだ重責。青山社長は「今年度の予算 […]
    クラフトバンク総研編集長佐藤 和彦
  • 2026.08.07

    DX駆使の矢野興業が、県内の生産性向上をサポート

    「それならば、全てを君に任せるから、責任を持って取り掛かってほしい」。  矢野興業(宮崎市)の辻清常務が、「今のやり方のままでは、必ず会社は潰れるので辞めます」と上層部に手紙を送った直後、現・会長の矢野文昭氏から電話で命 […]
    クラフトバンク総研編集長佐藤 和彦
  • 2026.08.04

    「ホームデコ」が好調のフィディアが、時代に沿った経営を継続へ

    フィディア(鳥取県米子市)には、創業から公共工事を主軸としながら、リフォーム・ガーデニング事業である「ホームデコ」を、30年に渡り展開してきた実績がある。多様な組織の舵取りを担う人物が武良靖之社長。「時代の流れに沿った新 […]
    クラフトバンク総研記者信夫 惇