新社屋竣工の丸西組が、「誠実・信用・和」を軸に発展に注力
更新日:2026/6/26
丸西組(石川県小松市)が、新社屋の建設を進めている。


約50年前に建てた現在の本社は、老朽化と社員増加に伴い、利用する上で制約が増えていた。働く場所としての機能が限定的で、何より建築部と土木部、そしてグループ企業のウエストサークルの3部門のオフィスそれぞれが離れた場所に設けられていた。それ故に、情報共有や協力体制の構築面などで不十分と感じるケースが多く、グループとして連携する強みを更に高める必要性が表れていた。

西功太郎社長は「本社を刷新することで、より盤石な経営基盤を確立できることを期待している」と思いを込める。ハード面だけでなく、ソフト面も構造ごとに見直す設計を掲げており、世代や部門を超えた交流が可能なレイアウトを予定している。竣工時期は今年9月を予定しており、今から完成が待ち遠しい限りである。


西社長は「当社は創業から、祖業の農業土木から土木に分野を広げ、平成以降は建築部門も強化し石川県に根を張ってきた」と経緯を語る。社長就任から一貫して掲げるのは、「新規事業より既存の土木・建築を深化させ、働き方を変えることで事業を伸ばすこと」。直近では、ペーパーレス化やRPAなどに着手し、更なるDXの加速化も検討する。「DX人材の必要性も痛感している。AI活用も視野に入れて、トライ&エラーの上で最適解を導き出したい」と継続的な挑戦の意志を示す。

採用面では、地元の工業高校からの安定した実績があり、2026年度は高卒と第二新卒を合わせて3人を採用。しかし、この現状でも「『採用は十分できている』とは捉えていない」と厳しい評価を自身に下す。工業大学生に対する認知度の訴求が不足していると判断し、「企業の知名度を高め、地元でこの分野を学ぶ学生なら、誰もが知る存在を目指す」と方針を明言。新社屋の整備と並行して、より多くの若手を集める施策に終わりが見える気配はない。


2024年の能登半島地震では、石川県の地域社会は甚大な被害を受けた。同社では、発災翌日から奥能登への技術者派遣を始め、震源付近での復旧支援に全力を尽くしてきた。「この先の新しい時代に向けて、もちろん最先端の技術を取り入れることは必要不可欠だが、建設事業者が最も重視すべきは、地域の安全・安心を守ること。その上で、創業以来の志である『誠実・信用・和』を大義に成長を続けたい」と改めて決意を示す。長期的な目標として設定するのは、「創業100周年に向けた事業継続と、中小企業庁が手掛ける『100億円企業宣言』を達成すること」。これまで時代ごとの課題を克服してきた丸西組。西社長は、今後も荒波が来る中でも大胆かつ繊細な舵取りを担っていくはずである。
この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 信夫 惇
建通新聞社に10年間勤務。東京支局・浜松支局・岐阜支局にて、県庁などの各自治体や、建設関連団体、地場ゼネコン、専門工事会社などを担当し、数多くのインタビューや工事に関する取材に携わる。
2024年にクラフトバンクに参画。特集の企画立案や編集、執筆などを手掛けている。








