新会長就任を機に、土屋建設が業界再構築に踏み込む
更新日:2026/8/25
今年6月に開催した中部建設青年会議(中建青)の定時総会にて、土屋建設(静岡県伊豆の国市)の土屋昭社長が新会長に就任した。


中建青は、愛知県・静岡県・三重県・岐阜県・長野県南部の5県にて、国交省直轄工事などを受注する企業の若手経営者を中心に構成する団体。前年度は、岡田司会長の下で全国大会を主管し、ブロック内の結束力が一層高める形となった。これまでの勢いを活かしつつ、土屋社長は「現段階で可能な全てのことに取り組む。やるからには全力で結果を追求する」と不退転の覚悟を表明する。

今期のテーマに据えたのが「コンストラクションプライド」である。前年度の全国大会でも掲げられた同じキーワードを、中部ブロックの活動方針として引き継いだ。「建設業には『黒子の精神』とも呼ぶべき美学がある。スイッチを押せば電気がつき、蛇口をひねれば水が出る。全てを建設業が下支えしているにも関わらず、今までは敢えて口にはしなかった。しかし、近年では警察や消防、自衛隊も、自らの活動を積極的にアピールする時代に転換した」と持論を述べる。個社の力だけでは限界があり、「だからこそ会議という場に仲間が集まり、日々の努力をどのように社会に届けるかを考える必要がある」との認識を示す。「世の中にある多くの当たり前は、建設業によって維持できている。この現実を広く周知していくことがコンストラクションプライドの本質だ」と確信を込め、広報活動に注力する方針を掲げている。

土屋建設では近年、社内に広報課を新設し、地元の新聞に4ページの特集を掲載した実績を持つ。「作る・守る・支える」の三本柱で構成された紙面では、若手技術者が現場へのこだわりを語り、幹部が地域に投資する意義を説いている。このような流れは現在も続いており、SNSでも情報発信を手掛けることで、職人としての誇りを継続的に社会に対して提示する。業界全体では、長時間労働という課題も山積する。同社では、日々の生産性を圧倒的なスピードで向上させることで、働き方改革の実現を加速化。「限られた時間で成果を出すことの積み重ねが、余裕と自信を生み出すことに繋がる」との本音を明かし、会員らにも還元する姿勢を見せている。


自身を「問題解決型の性格」と定義する土屋社長が動かそうとしているのは、建設業界そのものである。今期は、コロナ禍で中断していた5県の巡回の再開も構想しており、顔の見える関係性の再構築を目指している。「各県特有の課題も恥じることなく共有し、問題解決まで踏み込んで携われることが最大の強みだ。今期からは会員1人ひとりの取り組みが主役になれる会議に進化させたい」と思いを新たにする。強いリーダーシップを基に、どこまで中建青での活動を社会的な意義に繋げられるのか。土屋社長が専念するこの任期が、業界全体の意識を変える一手になると期待したい。



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この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 信夫 惇
建通新聞社に10年間勤務。東京支局・浜松支局・岐阜支局にて、県庁などの各自治体や、建設関連団体、地場ゼネコン、専門工事会社などを担当し、数多くのインタビューや工事に関する取材に携わる。
2024年にクラフトバンクに参画。特集の企画立案や編集、執筆などを手掛けている。








